-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-160/231page
砂層をはさむような状態で観察されます。また,所によって小さな円レキを含んでいます。
(B)層は淡灰色をした粘土層で,(A)層にはさまれたような状態で観察されます。
(D)層は白っぽい小さなレキからできているレキ層で,レキの大ききは2mm〜5mm大の円レキで,多くは流紋岩のレキです。
(E)層は(D)層にはさまるような状態でレンズ状に広がっています。色は白っぽく,粘土からできている地層です。
このがけで観察された地層の重なっている様子は,川原でレキや砂や泥の積もっている状態とよく似ています。流れの急な所にはレキが,流れの遅いよどんでいる所には泥がつもっているように,このがけの地層がたい積する当時,流速の変化があったことが推察できます。
このがけの地層は,会津一帯が中新世の海底時代に終りをつげて,陸化し始めた新第三紀の後期の鮮新世の当時,会津盆地西縁部はまだ低地の湖・沼の状態で,周辺から土砂が運びこまれました。その時期に積もってできた地層です。
2、地表の浸食(流水のはたらき)
校庭のグランドに降った雨は,より低い方へと流れ始め,それらの小さな流れが次第に集まって大きな流れとなって,グランドの土をけずって運びます。雨が止んだ後,雨水の流れたあとには,みぞができていることをよく観察します。
このがけをつくっている地層は,鮮新世の頃つもった堆積物ですので,まだ固結していないので,流水に浸食され易い性質があります。
写真はこのがけに見られる,流水のはたらきでけずり取られた様子です。