-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-168/231page
見通せる所に立って,がけの全景をスケッチする。
2)地層の色,地層の模様(しま模様),地層の重なり方,大きな割れ目(断層)など気付いたことを書き入れる。
3)このがけのある山は,(A),(B)や(C)層が斜めに重なってできていることを理解する。
4)地層は水平方向にも広がっていることを理解する。
(3)地層に近づいてその特徴を観察きせる。
(A)層は暗灰色を帯びた頁岩層で,葉理が発達しており,20m以上の厚さが観察されます。
(B)層を指で触って見ると砂と違った感じを受けます。これは火山灰が混じってつもってできたためで,凝灰岩質砂岩と呼ばれる岩石からできている地層で,地下水を含むので岩石に含まれている鉄分が酸化して,地層は淡黄色を帯ひているのです。
(C)層はしま模様がよく発達しています。このしま模様は,うすい頁岩層と砂層が交互に重なり合っているためで,このような重なり方をした地層を互層と呼んでいます。
また,露頭の左側に大きな割れ目(断層)が見られます。断層面に沿ってどちらがずり下がっているか調べてみましょう。
このがけに見られる地層は中新世末の海退(だんだん海が浅くなる)期につもった地層で,大塩小学校の観察露頭の地層と同時代のたい積層です。