-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-176/231page
5)がけに大きな斜めの割れ目が観察される。この割れ目を境に,左右の地層がずれている。このような割れ目を断層と呼んでいる。この断層は最上部のレキからなる(I)層がつもる前にできたものかどうか,話し合ってみる。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
(A),(F),(H)層はそれぞれ淡黄色をしており,砂と粘土の中間ほどの粒からできています。くわしくはシルト層です。
(B)層は50cmほどの厚さで,水分を含んで暗灰青色をしており,白っぽいサラサラした軽石と火山灰が混じってできた軽石凝灰岩です。また,(D),(G)層も同じ軽石凝灰岩からできている地層です。
(I)層は川原で見られるような円レキがつもってできた段丘性のレキ層で,(A)〜(H)層とは不整合の関係になっています。(不整合:山都第一小を参照)
(A)〜(H)層は会津一帯が海底となった新第三紀中新世前半のたい積層で,中新世の終わりに陸化し,沖積世に入ってから川のはたらきで,最上部の(I)層がつもってできたものです。
2、川原のようすと流水のはたらき
(1)調べる場所
野沢小裏の川
(2)川岸から川原の様子や水の流れを観察する。
1)川の全景をスケッチする。
2)川原やガケ,川岸のけずられている様子など,気づいたことを書き入れる。
3)流れが大きく曲がっている場所で,砂や小石がつみかさなって小さな川原ができているのは,流れの曲がっている内側か,外側か。
4)土地がけずられてがけになっているのは,流れの曲がっている内側か,