-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-196/231page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


 4)また,対岸を遠望して,地層は水平方向に広がってつもっていることを理解する。
にほんぎ橋のたもとより細道を下りた岸辺の岩盤

(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。

 川床の岩盤を観察すると,表面には不規則な形をした表面がガサガサした感じの屑のようなレキが多く入っており,ちょうど,へい垣に用いている大谷石に似ています。この岩石は中通りや会津一帯が海底となった中新世の中頃,海底では火山活動がさかんだったころの海底火山の噴出物がつもってできた,角レキ凝灰岩と呼ばれる岩石です。

 ハンマーでたたいてみると,大変かたいことに気付くでしょう。この岩石は海底につもった後,ガラスの主成分である硅酸を含む熱水溶液が,火山活動に伴なって地層にしみ込んできて冷え固まったために,硬い,角レキ凝灰岩となりました。このような硅化作用が強くはたらくと赤玉のような岩石になることがあります。

 只見川の赤玉は愛石家達には大変貴重な石とされ愛されています。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。