-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-199/231page

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大川ラインの塔のへつり

 大川は日光連山の北側に源を発し,出島町から下郷町を経て,湯野上・芦の牧付近で渓谷を刻んで本郷へと流れる大川の流域のうち,湯の上,弥五島,楢原,田島にかけて新第三紀の地層がよく発達している。

 湊谷美で知られる塔のへつり一帯は,白色,灰白色の凝灰岩・角レキ凝灰岩・頁岩の各層がつみ重なってできており,大川の侵食や風化,あるいは隆起運動などが相互にはたらいて,やわらかい部分が川の流れで深くけずりこまれ,あたかも白亜の殿堂のような岩石の塔が松の緑に映えて立ち並んでいる。


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