-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-213/231page

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伊南小学校

1、地層の観察

(1)観察する場所

 伊南川にかかる新しい橋の近くの川岸に残っている岩盤(地層)
伊南川にかかる新しい橋の近くの川岸に残っている岩盤(地層)

(2)岩盤から少し離れて,岩盤全体が見通せる場所で地層を観察する。

 1)(A)層や(B)層の境に注意してスケッチする。また,岩石の色や特徴など気付いたことを書き入れる。

 2)ここに見られる地層や岩石は,川の流れにけずられ残った岩盤です。
伊南川にかかる新しい橋の近くの川岸に残っている岩盤(地層)

(3)岩盤に近づいて観察させる。

 よく観察すると岩盤は2種類の岩石からできています。

 (A)層は角レキのような不規則な形をしたものを多く含んでおり,その風化した面を観察すると,うすい紙が重なっているように見えます。これは軽石と呼ばれる海底火山の産物です。

 また,(A)層の風化面はうすくはがれやすい性質があり,そのはがれ面が葉理面に相当します。

 (B)岩は硬く,白っぽく,表面は角ばっており,節理(一定方向の割れ目」)が発達している流紋岩です。この岩石は火山岩の一種で,地面の割れ目に沿って地下から昇ってきたマグマが入りこんで冷えてできた岩脈です。この岩脈は,N50W方向に走っていますから,対岸にもでている可能性があります。

 川原で観察された(A)層は角レキ凝灰岩と呼ばれるグリーン・タフで,中新世に入って阿武隈山地以西か海底になった頃の海底火山活動の噴出物がつもってできた地層で,中新世の下部に相当します。


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