研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-016/96page
前図で,B(必履修教科・科目)の部分が,習熟度別講座になります。A(必履修か望ましい教科・科目)も習熟度講座にしてもよいでしょう。例えば,学校の実情に応じて,数学1,英語1にするか,それに理科1や国語1・国語2を加えるか,が考えられます。必履修教科・科目のすべてを習熟度別講座にすることは,教員数,施設・設備の上からむずかしいでしょうし,また,教科の性格からいって必要のない場合もありましょう。
前図Bの習熟度別講座の部分は,習熟の程度によって,学年の学級を二つに分割するか三つに分割するかが,決まります。その場合の名称の工夫も大切です。「基礎・基本」とか,「普通」,「発展」とか考えられますか,「上」・「中」・「下」などのように,差別感を印象づける名称は避けた方かよいでしょう。なお,習熟度別講座では,習熟度の低い方の講座については,人数を少なくして効果を図るとか,増単をするなどの工夫も必要です。この場合,問題になるのは,やはり,教員数と施設・設備です。同時講座を組むなどして,時間割編成上での問題も解決してゆかなければなりません。
前図D(選択必履修教科・科目),E(自由選択履修教科・科目)の部分は,選択の幅をできるだけ広げて,生徒一人ひとりの習熟度や進路等に応じられる講座を組みます。
前述の福島県立相馬女子高等学校に,数学1と英語については習熟度別講座を組んで研究した報告があります。この2科目については,1年で単位か不認定になったものについて2年でさらに増単した上,習熟度別の再履修講座を設けて,学習の定着を図っています。
また,同校の研究した教育課程は,習熟度別講座編成のほかに,進路志望に応ずる類型制の工夫を,また,単位の分割認定を,あるいは,ホームルームのほかに,進路指導,生徒指導のための特設時間を設けて,習熟度別学習を,ガイダンスの面からバックアップしています。同校の教育課程をあげれば次の表1のとおりです。