研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-021/96page

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3 習熟度別学級の指導法及び指導過程

 性格の消極的な生徒には映像による学習が有効であり,積極的な性格の生徒には教師の直接的指導(適性処遇交互作用)が有効である,と報告されています。そのほか,習熟度の低い生徒に基礎的な教材を学習させるには,プログラム学習,モジュール方式の有効性が報告されています。そのほか,完全学習を目指すブルームの影響によるマスタリー・ラーニングによる事例研究がなされています。

 しかし,どの方法もオールマイティではないようです。やはり,自校の生徒の習熟度に応じた到達目標の設定,指導方法,指導過程の工夫をしてゆくのが望ましい行き方でしょう。到達度別目標設定の一例は図5のとおりです。習熟度別学級の学習を進めるには,目標分析,教材構造分析,到達目標の設定,指導法,評価などの研究実践が必要です。それを教師個人の力で解決することは,不可能に近いことです。そこで,教授組織が必要になってきます。教師が協力して組織をつくり,互いに知恵を出し合いチームワークよく学習上の課題の解決を図ってゆくわけです。また,一つのクラスに二人以上の教師が協力して行うティーム・ティーチング方式をとり入れてゆくなど,教授組織の分野の推進は,今後の学校教育の実りを約束してくれることでしょう。

 指導方法,指導過程の工夫の一列を示せば図6のとおりです。

図5 習熟度別学級と到達目標設定
図5 習熟度別学級と到達目標設定

 (福島県立須賀川女子高等学校研究紀要を参照して作成)


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