研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-031/96page

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 S-P表を作ってみると,問題の難易度や正答・誤答の傾向が一目でわかり,学級や生徒個人の学習を診断することも容易になります。クラス全体として達成した目標と達成しなかった目標は何か,今後何を教えなければならないか,あるいは,もっと演習させるべきことは何か,などが明らかになり,追指導や指導計画の修正に役立てることができます。また,誰がどんな問題につまずいているのかが判明し,いわゆる習熟度別学習の資料が得られ,その指導が容易になります。要するに,S-P表は,テスト得点の統計的な処理・分析のほかに,指導目標や.生徒個人に照らし合わせた質的な分析・検討を行うのに好都合な得点処理法の一つなのです。

1 S-P表の作り方

(1)事前テスト,単元テストなどの反応結果に対し,正答には"1",誤答・無答には,"0"で,集計表に表示します。これがS-P原表です。大間が段階ごとに小間に区分できるときには,それぞれを1問として扱うようにします。無答も"0"として扱いますが,誤答と無答は質的にも異なるので,何らかの別表示,例えば空欄にしておくと,以後の分析のときより効果的です。この集計表は,テストを回収し,採点して作りますが,テストの種類によっては,生徒に解答例を示して,各自に採点させ,集計カードに転記させて回収する方法も考えられます。豆テストの場合なら,アナライザーの個別記録器を利用すれば,授業中に容易に得られます。

(2)S-P原表をもとにして,縦方向の上から合計得点の高い生徒の順に並べ,横方向の左から正答率の高い問題の順に並べ換えると,S-P表ができあがります。このとき,複写機を利用して,S-P原表を切り張りしながら,2段階の並べ換えをしますと,誤りも少なく,しかも極めて能率的です。

 同得点者については,その生徒の反応のうち,正答に対応する小問ごとの正答者を合計して,その合計の多い順に並べます。同じ正答率の小問の場合は,各々の小問の正答に対応する生徒の合計得点の高い順に並べます。

(3)次に,正答と誤答・無答の分布区間をはっきりさせるため,"1"と"0"のそれぞれを寄せ集めたと考えて操作し,両者の間に階段状の境界線


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