研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-043/96page
3 保護者の理解
憲法及び教育基本法の,教育の機会均等を,「すべての生徒に等質等量の教育を与えることである。」との解釈から,習熟度別学級編成を差別教育につながるおそれがあるとの考えも,一部には見られますが,この考え方は前述のように間違っています。習熟度別学級編成を行うに当たっては,この辺の考え方が,正しく保護者に理解されるよう配慮されねばならないでしょう。実践例においてもほとんどの学校では,PTA総会や学年ごとの保護者会等で口答あるいは印刷物によって周知徹底を図っています。
4 習熟度別学級の構成
文部省の研究指定校の習熟度別学級編成の主な例をあげると,下記のようになります。
(1)習熟度の高低による分け方
2段階,3段階,4段階の例が見られ,習熟度の高い学級を少なくして中,低の学級を多くする傾向が見られます。
習熟度別段階を多くすると,生徒に与える心理的影響が大きく・編成替えや全体の評価も困難になってくるので,この点を十分考慮しておく必要があります。
(2)授業の同時展開の学級数
2学級,3学級,4学級の授業の同時展開例があり,とくに3学級の同時展開例が多く見られます。同時展開の学級数が多くなると時間割が組みにくく,担当者の人数から考えても,欠課時の対応も困難になってくるので,この点は編成前に十分留意しておくべきでしょう。
(3)学級数と講座数
実践校によれば,2学級3講座,4学級5講座,4学級7講座の例が見られ,多くの学校では,習熟度の低い学級の人数を少なくして,学習の個別化を図ることによって,生徒の学習効率を高めることができたとしています。しかし,講座数を多くすると使用教室が増え,教師の負担も多くなるので,学校全体の問題として十分検討しなければならないでしょう。