研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-086/96page

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うとしても,自己防衛にきゅうきゅうとして,みずから成長しようとする動機を失ってしまい,学習意欲は生まれてくるとは考えられません。

 したがって,生徒のパーソナリティの全体に働きかけることによって,低次元の欲求階層にとどまり,また,自己防衛にゆがめられている生徒については,その基本的な欲求を,まず満足させてやることが先決です。そして,自己の現在および将来の生活についてよく考えさせるとともに,現在の学習の目的や内容を自分と結びつけ,その結果自己実現ができるよう援助することが大切になります。そのためには,教師と生徒および生徒相互のこのましい人間関係を保ち,学習の中で成功感を体験させるなど,適切な動機づけを行うことが大切になってきます。

 そして,何よりも教師のパーソナリティや態度(attitude)が生徒に与える影響は大ですから,生徒の指導に当たる教師は,心身ともに健康であり,生活のリズムを保持し,教育に生きがいを感じていて,生徒に対しては,受容的な態度で接することが大切です。

31 習熟度別学級に対する生徒の意識について知りたいのですが。

 生徒の意識は,習熟度別学級において,どのような実践がなされているかによって異なってきますが,文部省研究指定校の中間報告の中から代表的な例を下記にあげてみます。

1 科目別選択学級実施校における生徒の意識

 <実例1>(東京都立小平西高等学校の実践報告)

(1)実施概況

 1)対象教科 数学

 2)学級編成 4学級を2段階5講座に展開(習熟度の高い学級1,低い学級4,ただし,低学級の人数を少なくする。)

 3)編成替え 定期考査後に行い生徒の希望を加味する。


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