学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-036/222page
○ 情緒不安定,社会的不適応,非活動的,消極的,内向的な性格で典型的なE型である。自我の弱さのためにノイローゼや問題をおこしやすいタイプで,特にこの生徒の場合非活動因子Gに問題があり,情緒不安定因子のD,N,Oが加味され,ノイローゼ傾向が強く出る危険性が考えられる。また,Oが高く人を信用せず,過敏な性格が対人接触を避けるSとのかかわりをもちながら,自ら生活圏を狭くしていくことが考えられるタイプである。
イ.カラーテスト
○ 外部からの刺激に対して過敏なほどの感受性があり,制約や束縛をきらっている。現在は精神的に,やや退行状態にあり引きこもりがみられる。また,決断するのにちゅうちょし,ゆううつになっている。
ウ.バウム(樹木画)テスト
○ 自分の存在を認めてもらいたいと願っているが,不安感情が極度に強く,他人に対しては遠慮がちであり,よいにしろ,悪いにしろ,他からの影響を受けやすい。自我が未成熟で,自律的行動は困難である。
工.不安傾向診断検査(GAT)
区分 A B C D E F G H 不安傾向 学習 対人 孤独 自罰 過敏 身体 恐怖 衝動 検査尺度 不安総偏差値 偏差値 4 10 9 7 7 10 7 9 2-当 72
○ 本人の不安対象として最も強く表出しているのは対人的不安傾向であり,性格検査でみられるD,I,N,Oなどの性格特性が退避的な不安傾向にかかわっているものと思われる.
次いで問題が認められる孤独傾向にも波及している。本人の対人的不安を形成する心理過程で,特に性格特性にみられるG,T,Sがかかわっているものと思う。
このような不安対象が,身体的徴候としての生理的反応を及ぼし,心因的な障害や,心気的な症状を呈するものと考