学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-103/222page
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(1) 主訴 場面緘黙
(2) 対象 小学校3年女子 Y子
(3) 問題の概要
〇小学校1年に入学して以来,授業中に指名されても,自分の考えをはっきりと答えることができない。もちろん,「はい」の返事もできず集団生活にうちとけることがない。
○日常の行動にも,硬さや緊張がともない,基本的な行動様式がとれない。登校途上は,通学グループの友人と話しているが,一歩校門をくぐると話すことをやめてしまう。
○家庭では,他の姉妹となんら変わりがなく,楽しく話し合ったり,遊んだりしており,意志の疎通ができる。ただ,父親とはなじめない。
(4) 資料・情報
1) 生育歴
ア 胎生期,出産期には異常が認められない。出産時の体重は2940gで標準児である。
イ 乳児期に指しゃぶりをしていたが,世話のかからない子供として育ってきた。
ウ 生後4か月頃からベビーホームに3年間入る。
工 3歳の時,父親が東京に出稼ぎに出る。これ以後父親となじめない。
オ 小学校一年生の1学期に,学級で話をした時に,みんなに笑われたことを気にしている。
2) 家族構成及び家庭環境
ア 父は農業に従事しており,無口で仕事一途である。
イ 母は近くの工場に働きに出ており,働くことに追われて子供の養育に対しての関心がうすい。
ウ 小学校5年の姉,3歳になる妹との三人姉妹である。
3) 諸調査・調査
〈本児への検査〉
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