学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-105/222page
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触がなく,生き生きと育っていない。
2) 放任的な養育態度のため,自我がゆがめられ,引っ込み思案なところが多く,耐性の弱い子供として育っている。
3) 両親が共稼ぎのため,家で過ごすことが多く,社会経験の不足のまま成長したことが,人みしりを多くしている。
4) 友人が少なく,集団参加への技術が未熟で集団への適応に苦労している。
5) 1年生の時,会話したことを友人に笑われた心の痛手が作用し,しゃべらないことで自分自身を防衛している。
以上のことから,親の養育態度のまずさが,本児の自我を未熟なものにし,集団の中で不安や緊張を感じ,緘黙状態を引きおこしているものと考えられる。
(6) 指導方針
1) 遊戯療法によって学校生活に適応できるように援助する。
ア. 遊びを受容し,本人の興味を引き出しながら,行動の拡大化と会話の機会をつくる。
イ. 表現活動を助長し,発語の効用や感情表出の喜びを身につけさせる。
2) 親(特に父親)とのカウンセリングを通して,子供との接し方を改善し社会性の育成につとめる。
ア. 家人との会話の機会を多くもつ。
イ. 子供との接し方を改善する。
・ほめたり,励ましたりする。
・しゃべらないことへの圧力をさけ,安心して生活させる。
・多くの子供と遊ばせる。
3) 学級担任との連携を図り,集団活動への適応をはからせるための協力を依頼する。(センターと学級担任との情報交換を密にする。)
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