学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-213/222page

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ものである。特に思春期から40才位までに好発し,症状としては,頭痛,めまい,疲労感,不眠,ふるえ,息切れ,便秘,下痢など多い。

人格

パーソナリティのことであるが,定義は研究者によって多様である。例えばオールポートは,環境に対して独特の適応の仕方を規定する,心理的生物的な系統の個体内における力動的体制であるとした。一般的には,生活場面におけるその人の特徴的なあり方として考えられている。

人格の発達には,その人の基本的衝動と,その変容の過程と,その基盤や背景が問題になる。つまり,生理的心理的要求のいずれが中心となるか,それがいかに充足されたり,阻止されるか,それに対していかなる行動様式が展開し,さらに習慣的に固定されるかが問題となる。

神経症(Neurosis)

心理的原因(心因性),たとえば病的不安等が体験化され,心理面や身体面に固定してきた機能的な非器質的障害をいい,精神神経症といわれることもある。

現れ方としては,純粋な心理的障害として,また身体的障害として,あるいは両者の合併症として発病するが,比較的年少者では単一の身体症状として(心因性嘔吐,ねぼけ,夜尿など)あるいは行動障害として出現することが少なくない。思春期以後,典型的症状として固定した場合は,次の様に分類される。

(1) 神経質症(森田神経質)…知的な葛藤(森田機制)によって発現する,いわば人格表層の神経症で,神経衰弱様症状をともなった型などいくつかの型がある。

(2) 不安神経症…合理的な理由のない,しかも身辺の何に対しても受動的に結びつく,いわば対象のない恐れの感情を中核症状とした神経症である。

(3) 恐怖症…不安が特定の対象と結びついた状態で,対象の種類によって不潔恐怖,高所恐怖,対人恐怖症等がある。


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