学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-212/222page

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自閉症

自閉症については,カナーは特異な病像を示す乳幼児の精神病を「早期幼児自閉症」といい,アスペルガーもほぼ同様な症状を示すものを「自閉性精神病質」と名づけている。このように診断基準は確立されていない。原因はまだ不明で,、親子関係によるという説,遺伝説,脳障害説などが考えられているがいずれも決定的なものではない。

教育センターに来所した子供にみられる特徴は, 〇孤立し距離をおいている印象(100%), ○人に対する興味の著しい欠損(100%), ○関心を持っても長続きしない(100%), ○視線が合わない(71%), ○表情が乏しい(57%), ○他人への同情・共感がない(86%), ○言語発達遅滞(100%), ○おうむ返し(71%), 〇テレビに子守りをさせていた(87%), ○機械的ほ乳(60%), ○奇声や呼声(36%), 〇単純な反復遊び(50%)などとなっている。

受容

「自己」や「他者」や「環境的世界」などの特定の対象に対して,一定の基準による評価的・選択的認知をしないで,暖かで好意的な信頼の感情で,それらを進んで認め,受けいれ,尊重しようとする態度(認知・感情・行動傾向のシステム)。ロジャーズは,治療者が患者をひとりの人間として認め,その可能性に対して基本的な信頼を寄せることが,さまざまな技法よりも一層治療的に重要であることを見出した。また,「無条件の積極的尊重」「学ぶ」「基本的信頼」などの語は,受容と同語に使われている。

自律神経失調症

生体の恒常性(homeoostosis)の維持に向かって,主体的にはたらいていいる神経系を自律神経系という。この系には,交感神経系と副交感神経系があり,前者は主として生体の緊張を,後者は弛緩をもたらすはたらきをする。従って失調状態とは,単に交感神経優位の緊張状態だけを指すのではなく,変動しうる状態にあっても,恒常性維持の目的に合わぬ反応を示す場合も指す。自律神経失調症は,この様な調節異常の総称であり,種々の不定な症状を呈する症候群であり,器質的変化はなく,自律神経系の調節より,症状を除去し得る


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