親と教師の教育相談室-000-01/201page

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はじめに

子供たちが,精神的にも身体的にもすこやかに発達して,幸福に育ってゆくことを誰しも願っている。
しかし,今日の複雑な社会では子供を健全に育てることは,決して容易なことではない。子供は,一人一人が個性や能力に違いがあり,また,生まれてからの環境とのかかわりの中で変化をともないながら成長発達をとげ,成長の過程で全く予期しない,あるいは理解しがたい問題行動をみせることが往々にしてあり,それらに対処することのむずかしさに困惑する場合が多いものである。そして,問題となる原因や問題行動も,つきつめてゆくと,これらに対する指導のむずかしさに気がつくのである。
子供たちが,不当に欲求が満たされなかったり,過重な親からの期待や要求に当惑させられたり,望ましくない親の養育態度や交友関係がもたれた場合,いつのまにか子供たちの好ましい性格の形成や,社会性の発達が阻害されて歪みをみせ,その結果,心やからだに問題を生じさせたり,基本的な生活習慣力確立されず,集団生活への適応を欠くなど,さまざまな問題がみられるようになるのである。
つまり,問題行動をみせる子供の多くは,行動という信号をとおして親や教師に救いを求めたり,,そのかかわりのあり方に反省を求めていると考えることができる。
この冊子は,親や教師,悩みをもつ子供などから寄せられた質問や相談に対して当教育センター所員が解答したものをまとめたものである。寄せられた質問は,対象と内容からみると幼児から大人までのさまざまな問題であるが,大きく七つに分けて一問一答式に記述してみたが,紙面の関係上いいたりない部分のあることを了解していただきたい。
当面する問題について,参考材料のひとつとなり,悩みや,疑問をもつ人々の負担を少しでも軽減することに役立つことができるならたいへん幸いである。

昭和58年3月 福島県教育センター所長 舟山昇


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