親と教師の教育相談室-001/201page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

1.微細脳損傷の子
【問い】私の学級に「微細脳損傷(MBD)」と専門医から診断された子がいます。学級担任としてこの子に対し,どのような点に気をつけてやれば効果があるでしょうか。

【答え】MBD児の症状は,1)知能は正常2)学業成績が不良3)落ち着きがなく動き回る4)気が散りやすい5)読み書きができない6)不器用でぎごちない7)衝動的でカッとなりやすい8)周囲の人たちとうまく付き合えない…などです。これらの症状が全部そろっているときもあり,またはいくつかが欠けているときもあり,一定していません。
ご質問のように専門医の検診があるならば,次の点に注意されて指導するようにしてください。
1)目と手の共応動作がうまくできないので,ボタンかけや小さな穴にヒモを通すなどの細かい動作を練習させる2)あまり大きなグループにはいれないので,小さなグループに入れて忍耐性をつけさせる3)他の子と区別した例外的な扱いをできるだけ避ける4)落ち着きがないからといって子どもを抑えつけないで1日1回は外で思いきり遊ばせる5)よい面を伸ばし,劣った面を補うように指導する。この際には指導はソフトに静かに行い,なにかをやらせるときは集中的な訓練をし,短時間で切り上げるようにする6)不安や緊張を取り除いてやることは大切です。
しかし子どもがなにをしてもしからないで「いいよ,いいよ」と甘やかすのは禁物です7)できるだけ作業に集中できるようなふん囲気をつくるとともに,学校生活を規則正しくさせる8)家庭との連絡を密にし,お互いになんでも言いあえるふん囲気をつくる。
以上のような点を心がけて指導すれば,よいと思います。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]


掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。