親と教師の教育相談室-010/201page

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10.起立性調節障害とは
【問い】私の学級に,朝に頭が痛かったり,めまいがすることを理由に登校しない男の生徒がいます。医師からは「起立性調節障害」と診断されました。登校拒否と似ているのですが,担任としてどう働きかけたらよいでしょうか。

【答え】起立性調節障害の症状には,1)朝の寝起きが悪く,なかなか起きあがれない。急に立ち上がると,めまいがする2)長く立っていたり,入浴していたりすると,気持ちが悪くなって倒れる3)とくに朝のうち頭痛や腹痛などを訴え,午後になると元気になる4)熟睡できず,乗りものに酔いやすい…などがあります。
これらの原因は,状況に応じて血液の流れを加減する「自動調節能力」が不十分なため起きると考えられます。
この障害は学童期から青年期にかけて起こります。とくに小学生高学年から中学生にかけて,つまり思春期に入りかけのころによく起きます。細長い体形の子に多いようです。先生の学級の子の場合には,1)と3)にあてはまるようで,俗に”立ちくらみ”といわれます。この症状は登校拒否と勘違いされやすいため,その扱い方には十分気をつけて下さい。
担任としては,次のような点を留意して働きかければよいでしょう。
1)医師から与えられた薬を飲ませ続ける2)成長期に起きる症状のため,病気だと思い込ませず,がまんして登校させる。学校で立ちくらみが起きたときには,保健室で静かに休ませる。回復してから授業を受けさせる3)適度な運動を通して体力をつけさせ,自分の体に自信を持たせる。乾布摩擦などがよいといわれています4)症状は思春期をすぎると軽くなり,自然に治るといわれます。たえず励まして精神的な面を強くさせて下さい。


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