親と教師の教育相談室-011/201page

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11.「思春期やせ症」の注意点
【問い】中学2年の娘が,このごろ目に見えてやせてくるので心配です。医師の診断では器質的な病変は見られないとのことです。食生活上の注意点を教えてください。

【答え】お子さんのような思春期やせ症と思われる病気が,最近ふえているようです。まずお母さんにして欲しいことは,冷静にお子さんの日常生活を観察することです。
このような場合の要因として考えられることは
1,やせ願望 自己の容姿やスタイルを気にし,意識的に食事量を減らす。
2,思春期心性 独立心が芽生えてくるが,依存心も残っている。そのため,「食べないこと」により反抗したり,甘えたりする。
3,家庭環境の問題 干渉的でかつ過保護の場合。
以上について心当たりはないか検討してください。
次に食事方針としては「食べないこと」には,むしろ無関心を装い,楽しいふん囲気づくりを心がけてください。食べないのを心配してかまうと,かまってもらうことを求めてかえって食べなくなることもあるからです。もともと食欲はあるのに「がまんして食べない」か「食べられない状態に追い込まれていた」ということもあるので,その辺の心理状態をつかんで対処してください。
また献立面では,理論的にバランスのとれた食事が望ましいのですが,このような場合は,一般に糖質,脂質を好まない傾向にあるので,これらは少なくし,他の食品でバランスを考えるなど少量ずつ品数を多くしてほしいと思います。食べて体重が回復すれば,精神的にも落ち着きがみられるものです。


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