親と教師の教育相談室-052/201page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

51.父の留守に暴れる子
【問い】小3の息子ですが,気にいらないと父親が不在のときなど物を投げたりして暴れることがあります。もう少し優しい子にしたいのですが。

【答え】よく聞く話です。お宅の場合も,心のブレーキがまだよくかからないケースだと思います。自制心がまず問題になりましょうが,小3の段階では十分に理性的な行為を期待するには無理があるようで,どのような成長過程を経ているかが検討のポイントになりそうです。子どもは家族との人間関係を軸とする家庭環境からはかり知れない影響を受けて育ちます。このことはその後の人間形成にも決定的な影響力をもつことになります。
ですから子どもの喜ぶこと本位の養育態度には注意しなければならないことがあります。望むものはなんでもかなえられることに慣れ,それ以外のことにはなじもうとしない生活感情の芽生えをみることがあるからです。こうなると自分が気にいらないことはすべて間違いで,自分が被害者であるかのような錯覚を起こし,我を通すためには悪いと知りながらも強行してしまうことになるわけです。
また,父親がいきり立って子どもをしかりつけるということもよくありますが,一方的なしっ責はミゾを深めるばかりです。家庭教育のねらいが果たされないことが多いので,気をつけなければなりません。子どもの心情を理解し,共感的ムードのなかで解決することです。
お宅でも「父のときは」「私のときは」という考えを捨てなくてはいけません。バイタリティーのある小3君の将来のため,いま何を経験させるのがよいかを話し合い,実行されてはいかがでしょうか。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]


掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。