親と教師の教育相談室-062/201page

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61.親に反抗する子
【問い】わが家の中学2年生になる長男ですが,このごろ急に反抗しはじめ,注意すると攻撃的になったり,すぐふてくされて黙ってしまったりします。どう理解し,対処していったらよいでしょうか。

【答え】この場合は,なによりも思春期の心理的特徴を理解し,そっと見守りながら心からの援助・指導を続けることが必要です。
この時期は,一人前の人間として認めてもらいたいという気持ちが急速に育ちます。半面,いつまでも親や周囲に依存していたいという気持ちもあり,いつも揺れ動いています。つまり,心のなかに”独立”と”依存”という心理の葛藤(かっとう)があり,その動揺が反抗という形で表れるのです。いわば「精神的離乳期」といえます。このような心理を理解しないで「はい,はい」といつも言わせようとしたり,また期待しすぎや干渉しすぎなどの態度で接すると,いら立って攻撃的になるわけです。
反抗期は,子どもが必ず通らなければならない関門,発達段階のひとつの節と考えたいものです。子どもの育て方に対して確信を持った親の態度を前提として1)子どもの生活に必要なものと不必要なものとをはっきり区別しながら指導する2)友だちや家族との毎日の生活のなかで,衝突したり,協力したりした実際の場面をとらえて話し合い,自立心を高めながら次第に共同生活の正しい営みができるように援助する…などです。
これらの基本はなんといっても親子の心の交流です。話し合いのなかで,心のわだかまりや悩みをはき出させるとともに内面的な不安感やいら立ちなどを和らげ自信をつけさせるよう心がけて下さい。そうした温かい保護・環境のなかで子どもは反抗期を通り抜け,立派に成長していくと思います。


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