親と教師の教育相談室-061/201page

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60.うそをつく子
【問い】私の学級(中2)にA男という平気でうそをつく子がいます。遅刻の理由が幾度も元気で働く親の看護であったり,学級で孤立すると友だちが自分をばかにして殴ると言いにきたり,家庭連絡でもいつも自分に都合のよいように伝言したり,とにかく虚言癖が身についているような子です。指導するにも困ります。こうした子はどう考え,どのように指導したらよいでしょうか。

【答え】子どもがうそをつく原因を考えてみますと,1)不愉快な場面から逃げ出したい2)他人との関係において,自分を上位に保とうとする3)追いつめられ,自分を防衛しようとする4)他人の関心を集めたいと思う5)うそが癖になってしまった…などの時があげられます。A君の場合はどれに該当するでしょうか。
学級担任としてはまず,A君がうそをついてしまう背景を探ってみる必要があります。すると,A君のうそをつく時の心情や長い間の生活環境からつくられた性格がはっきりしてくると思、います。
そこで次のような配慮をしながら指導を続けてみて下さい。1)行動の上で責任を持たせ,実行したことを認めてやる2)子どもの表面的な言動よりも心根を見続ける3)うそが社会生活の上で迷惑をかけ,人間としても恥ずかしいことであるというように考える学級のふん囲気を育てる4)A君にも個人的に自覚を促す働きかけを続ける…などが学級担任として基本的態度です。
なお,この時期は思春期でもあり,自己顕示欲からのうそやその感情の動揺と空想が多くなることから無意識にうそをついてしまう場合もあることを十分に考慮しておきたいものです。


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