親と教師の教育相談室-064/201page

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63.カンニングした子への接し方
【問い】中学2年男子の母ですが,期末テストが終わった日に,「学校でカンニングしたことが見つかったので,もうだめだ」とふさぎこみ,食事もとりません。親としてどう接したらよいのでしょうか。

【答え】試験の時にカンニングをすることは決して良い行為ではありません。また無意識でカンニングをするということもないことです。
お子さんは,事の善悪をわかりながら,意識的に行ったのだと思います。だからこそ悩んでいるのです。そのときカンニングしたことをしかってみても真の問題の解決にはならないと思います。お子さんがどんな気持ちから,そしてカンニングにどんな意味があって行ったかが問題なのです。カンニング(不正行為)をしようとする子供は,1)自分の勉強不足を不正な行為でカバーしようとするとき2)能力以上に自分をみせ優位な立場をまもろうとするとき3)不正行為により良い点数をとることが目的というよりスリルを求めるとき4)友だちもしているのだからといった安易な気持ちから5)親の期待が強く,それにこたえなければならないと追いつめられた心理状態のとき6)目をかけてもらえない自分に注目をひこうとするときなどの心の動きが考えられます。
お子さんの場合,食事もとれずふさぎこんでいるという状態から,性格的にも内気で積極的に自分を主張できず,小さなことにもくよくよするタイプのようです。そのためにもまず親自身が能力以上の成績を期待したり,結果より学習の過程を認める言動が不足していなかったかを反省してみてください。そしてお子さんの気持ちを十分聴いてやりながら,親の人生体験を含めて,自分自身に忠実に生きることがどんなに苦しく,またどんなにすばらしいことか話し合ってみてはいかがですか。


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