親と教師の教育相談室-068/201page

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67.物思いに沈む子への接し方
【問い】中2の長女ですが,近ごろ一人でぼんやり考え込んでいることがあります。心配でなりません。どうしたらよいでしょうか。

【答え】この年ごろになると,自分の長所,短所,人生いかに生くべきかなど,いろいろな問題を次々と考えるようになります。そして自分をみつめ,自分をためすのです。その結果,失敗し,無力感を味わい,自分の弱さに絶望して物思いに沈んだりします。
また友だちとのトラブルから自分の欠点を見いだし,思うように事が運ばないところがら「自分はだめな人間なんだ」という劣等感におそわれたり,親や友人に理解してもらえないと,激しい孤独感にさいなまれるという,この年ごろの共通な心の動きを示します。
孤独を求めたり,孤独感にひたることは,この年代の子どもにとって大切なことです。また社会人として独立するためにも非常に重要なことと考えます。「われ思う,故にわれあり」この自覚こそが,大人への第一歩なのです。ただ,注意しなければならないことは,中学生の年ごろでは体こそ大きいが生活経験は乏しく,客観的にものを見る目がないため,小さな事でも重大視してくよくよする例がよく見受けられます。
このようなことを防ぐためにも,ふだんから子どもが問題をもったときに,気軽に相談できる親や兄姉,友だちが子どものまわりにいることが必要となります。子どもから進んで悩みをもちかけるような,機会や場を親としてつくっておくことが,なによりも大切です。


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