親と教師の教育相談室-067/201page
66.朝になるとぐずぐずして登校しない子
【問い】中1の長男です。夏休み最後の日曜日にカゼをこじらせて,2学期の始業式から1週間ほど休んでしまいました。その後カゼも治り,体に異常がないのに,登校時刻になると,ぐずぐずして休んでしまいます。どうしたらよいでしょうか。 【答え】長い休みの後の登校する時の気持ちは,なかなか複雑なものです。友人関係,学習面,生活面が休み前とは変わっていますので,中学生でも不安が強く,逃げ出したい気持ちになるものです。特にお子さんのように,夏休みに引き続き1週間におよぶ病欠で,長く休んでしまうと,一層あせりや不安がつのってしまいます。お子さんは,このような心の問題が引き金になって,登校拒否の傾向に陥っているように思われます。
一般に登校拒否の子供は1)社会性が未熟で判断力や実践力に欠ける2)過保護,過千渉に育てられ,自立心,自主性がない3)神経質や内気などの性格によって情緒が不安定になっているなどの理由が重なり合って,登校できないのが特徴です。
いずれにせよ登校拒否は,子供の性格形成と関係することが多く,親子の養育態度の見直しが必要になります。また子供自身が持っている心のわだかまりを,自主的に解決できる気力と自立心を育てることも真剣に考えなければなりません。さらに大事なことは,登校できない時に「学校へ行きなさい」といった強い登校刺激は,自分の気持ちを理解してくれないという失望やあせり,不安を強めるばかりで,良い結果は得られません。無理強いはやめ,子供の心をくみとり,不安の除去に協力する態度で励まし,元気づけて,集団になじめるようにすすめてほしいものです。学校内のことが原因になっていることもありますので,担任と相談しながら,専門的な指導を受けることも必要になると思います。