親と教師の教育相談室-075/201page

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第3章
生活習慣に関する相談

73.テレビののぞましいみせ方

【問い】5歳になる子どもですが,テレビが好きで,毎日かなりの時間見ています。子どもの教育上,テレビはどのように扱ったらよいでしょうか。

【答え】現在の子どもにとってテレビは生まれた時からすでに身の回りにあり,ごく日常的なものであって,生活がそれによって変えられるというものではありません。ですから,テレビをどう与えるかということではなく,家庭生活をどう送るかがむしろ大切だといえます。テレビはいながらして,様々な世界を見ることができ,また,その場では得られないものを間接的に体験できるなど,多くの長所をもっています。ですからこのような文明の利器を活用しない手はありません。もっと積極的に生かしていくという立場でとらえなおしてみる必要があります。つまり,子どもの生活環境としてどのように位置づけるかが大切です。
もし,あまりにもテレビべったりの子であったら問題です。そのような子どものなかには,身体に異常があって動きまわるのが大儀だとか,社会生活を好まない自閉的な子どもであるとか,また,暴力的,破壊的な番組を特に好むなど欲求不満の表れが,テレビ視聴の態度としてみられることもあるのです。ですから,どんな番組をどんな態度で見ているかを観察しながら子どもと一緒になって視聴してやることが大切です。そして,内容によっては,現実と虚構の世界とのちがいを教えてやることも必要で,映像の見方を少しずつ養っていくよう心がけたいものです。また,チャンネル権も一人前に扱い,自己中心の考え方ではなく,みんなで楽しむという生活のあり方や,家族の一員としての生活の大切さも日々の体験から得させ,やがてくる小学校生活にもスムーズに入れるように,長い目で育てていきたいものです。


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