親と教師の教育相談室-083/201page

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81.外遊びをいやがる子
【問い】小学3年生のわが子は,私が声をかけないと何時間でもテレビを見ていたり,プラモデルを組み立てたりしています。「外で遊んでおいで」といって送り出すのですが,4,5分もするとすぐ戻ってきてしまいます。元気よく外で遊ぶようにするには,どうしたらよいでしょうか。

【答え】家にばかり閉じ込もっているような子には友だちがいません。ですから,外で遊んでおいで…といわれても相手がいないのでつまらないわけです。また,友だちになってもらっても遊びが下手では,しばらくするうちに仲間はずれにされてしまいます。
一番よい方法はお父さんやお母さんが相手になって遊んでやることです。キャッチボールとかバドミントンなどです。それが大変なら遊びを見守ってやるだけでもよいと思います。このようにして子どもを外に誘い出し,しばらく続けていけば外遊びのおもしろさ,心地よさがわかって自分から飛び出すようになります。さらに友だちも増えていくと思います。
外での遊びは,単に体を丈夫にするだけでなく子どもの人格を形成するうえで極めて重要なことです。子どもは遊びのなかで友だちの人格に触れ,自分の人格をつくっていくのです。何をして遊ぶかとか,場所に合わせて遊びのルールを決めるとか,セーフとかアウトとかの判定をめぐってお互いに意見を述べあうとかをすることによって民主的な考え方や生き方などを知らずしらずのうちに身につけるわけです。
ところが,子どもの遊びの価値を認めようとしないおとなが少なくありません。「遊んでばかりいて勉強はちっともしない」というようなおとなは,子どもの遊びの価値を認めていないということです。子どもの遊びは,おとなの生産労働と同じことだと考えた方がよいと思います。遊びを通して円満で調和のとれた人格が形成される,という考えを親はもってほしいと思います。


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