親と教師の教育相談室-082/201page

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80.マンガにだけ夢中になる子
【問い】わが家の息子は小学1年からマンガを読み始め,小学2年も終わろうとしているのにマンガのとりこになっています。マンガを読むことはいいのですが,そろそろ名作を読む意欲を育てたいと思っています。よい方法を教えてください。

【答え】本のきらいな子に無理に本を読ませようとしても読みませんが,名作のおもしろさを気づかせたらどんどん読むようになります。読書の意欲を高めるにはいろんな方法があります。とくにマンガから名作へ向けるには1)興味のある本を与える2)母親はおっくうがらずに5分でも10分でも毎日本を読んでやる3)親も本好きになる…などが必要です。
例えば,こんなことがありました。ある親は,わが子がマンガ「トム・ソーヤの冒険」を読んでいるのを見かけたので,読み終わってから「Aちゃん,トム・ソーヤの冒険の本,もっとおもしろい本がここにあるんだけど,読んであげようか」と声をかけ,実際に書いた人の「トム・ソーヤの冒険」を少しずつ毎日読んできかせました。すると,子どもは,「この本,マンガと違ってトムの冒険のようすが詳しく書いてあるね。ボク気にいっちゃった」と話していたそうです。
以上のようなことは,読書の意欲を高めさせるために1)と2)をうまく適用し,マンガにはない本のおもしろさや良さを感じさせた例だと思います。このほか,お母さんと1ページずつかわりばんこに読む,あるいは子どもに読ませ,親は聴き役になるなども考えられます。
紙芝居は感情を込めて話をすることによって子どもたちを感動させるように,読書の経験が浅く内に可能性を秘めている子にまず,名作を親が読んできかせ,読書意欲をかきたててやることが最も大切なことです。


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