親と教師の教育相談室-085/201page

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83.手伝いをいやがる子
【問い】5年生の長女は近ごろ,なにを頼んでも返事しません。そればかりか「お水」とか「新聞」などと人を使う傾向さえみられ,困ってしまいます。こんなとき,どうしたらよいでしょうか。

【答え】家庭の仕事は,なんといっても家族みんなが手分けして協力することが大切です。お年寄りや兄弟の手があるからといってなにもさせないのは,心や体を健康に育てる絶好の機会を取り上げていることになります。絶好の機会とは,手伝いのあとの満足感,働くことの苦労と理解,協力して働くという生活の仕方などです。
家庭の仕事は多種多様ですが,なにもかも手伝わせることは好ましくありません。また,一度にいくつもの手伝いをさせるのもまだ無理です。玄関を掃く,食事のさいに茶わんやさらを運んでテーブルに並べる,食事のあとに茶わんやさらを台所まで運ぶ…などといったように毎日必ずする仕事を決め,それを欠かさずやるようにしつけます。仕事は子どもと相談して決めて下さい。
初めに約束した仕事のほかはなるべく頼まないようにします。いつでも素直に親の言いつけを聞く子を理想としているお母さんにとっては,これは不満かもしれません。しかし,子どもには子どもの生活があるのですから約束した仕事以外は頼まないようにするのが大切です。
アイロンかけ,コロッケづくり,自動車の水洗いなどといった仕事を子どもが自分からやりたがれば,危険のない限りやらせることです。とかく私たちは「やってもらうとかえって迷惑になる」とか「どうせやり直ししなければならない」などといって子どもたちに手伝わせない傾向があります。これはおとなの都合のよい考え方です。手伝いは家庭生活の実習なのですから,お母さんたちは喜んでしかもていねいに教えてやる心のゆとりがほしいと思います。手伝いは働く喜びを体験させる最もよい機会です。親子で役割を決め,実行して下さい。


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