親と教師の教育相談室-086/201page

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84.何をどうしつけるか
【問い】担任の先生から「お宅ではもっとしつけを厳しくしてもらわないと困ります」といわれました。よく考えてみると,私はしつけについてぼんやりとしか考えていませんでした。そこで,しつけについて教えて下さい。

【答え】かつては,しつけを漢字で身美と書きました。字が示すようにしつけは,身を美しくして他人に迷惑をかけないというのが主体でした。しかし,現在では表面的なことよりも心の美しさを教えこむということに変わりつつあります。
しつけには,1)家庭に一定の価値感があること2)人間の基礎づくりとしての命令を下すこと3)命令を守らせること4)その命令を習慣づけること等の4つの条件が満たされていなければなりません。
1)は,それぞれの家庭にはそれなりの価値観がありますが,親の感情のおもむくままにしつけることは必ず矛盾を生じてきまずから避けなければなりません。2)は,子どもが将来,社会的な適応の段階で不自由な人と生活ができるだけの規則性や規律という基本的なことについての命令です。親は子に命令を出しっ放しで後始末をしないことが多いのではないでしょうか。これをなくすために3)の強制が出てきます。強制は社会的な適応の基礎をつくるという意味です。子どもが対人関係の面でもスムーズにいくためにも強制が必要になります。4)は,社会的な適応の基礎となることを日常生活のなかで習慣づけするということです。
このように,しつけとは一つの価値観によって一貫した行動を取らせることをいいます。しつけがスムーズにいくことは,将来子どもが社会に適応し,自己を発揮するのに必要なことです。ですから,あくまで子どもの自主性を認めたうえでのしつけであることを忘れないで下さい。


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