親と教師の教育相談室-119/201page

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117.方位を知るには
【問い】先日の夕食どきに,あることから,地球上での方位のことが問題になりました。中1の子どもは,アメリカは日本の東にはない,と主張して譲りません。アメリカは日本の東にあると思いこんでいる私は不思議でなりまません。子どものいうことは,正しいのでしょうか。

【答え】楽しい夕食どきの一家団らんが目にうかぶようです。教室などでよくみかける,メルカトルの世界地図をながめると,アメリカは日本の東に位置しているようにみえますが,それは誤りです。お母さんの場合,このような地図をもとにして方位を判断しているのではないでしょうか。この地図では,赤道上での場合を除いて,東西の方位を読みとることができません。アメリカは日本の北東に位置しているので,子どもさんのいうことが正しいのです。
方位を求めるには,地球儀を用いると便利です。2本の紙テープを地球儀の円周の長さで切り,この2本を真ん中で直角に交わるようにはりつけます。次に,交わったところ(中心点)を例えば東京の上におきます。そして,片方のテープを東京を通る経線の方向に合わせると,東京の南北をさします。もう片方のテープを地球儀に当ててゆくと,東京の東西を示します。この線をたどると,東京の真東は,ハワイの付近を通り,南米のブエノスアイレスに達します。
こういう方法でたしかめてみると,アメリカは日本の北東に,逆に日本はアメリカの北西に位置していることが読みとれるでしょう。
メルカトル地図に限らず,世界地図は地球という球体を平面にかき表したものですから,方位,距離,面積などを1枚の図では正しく表現することができません。地球儀と比較してみると地図のひずみの理解が容易になるのです。

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