親と教師の教育相談室-155/201page

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153.早い時期での英語勉強は
【問い】小学校3年生の男の子を持つ母親です。先日,友人から子供に英語を習わせないかとの誘いがありましたが,早いうちから勉強させたほうがよいのでしょうか。子供は習いたがっているようです。

【答え】このことについてないろいろと論議されているところで,一概によしあしを申しあげることはできないように思います。
まず,親としては,いずれ中学校に入ったら英語を習うのだから早い時期に慣れさせたほうが有利だ…もっと具体的にいいますと,それだけ成績がよくなる…という考えがあるのではないでしょうか。
しかし,それには問題もありそうです。
ところで,ことばの勉強は継続して練習をつむことが大切で,ただ1年や2年勉強しただけでやめてしまうようなことがあっては効果はありません。例えば,小学校低学年くらいまで外国生活をして帰国した子供は,まもなく外国語を忘れてしまうようです。これは子供が反復によってことばをおぼえているわけで,その習慣が失われれば記憶は消滅してしまうことになります。というのは,その反復を継続できれば記憶は残るというわけです。したがって,子供が英語を習う場合,中学校で正式にはじめるまで続けることによって効果があるといえましょう。ただ,ここで問題なのは,ずっと小学校段階まで続けてきた児童が中学校に入ってきて,他の生徒たちといっしょにもう一度初めから学ぶ場合,足踏み状態になって,中学校の英語はつまらないものというようにでもなれば,早いうちの英語学習も意味をなくしてしまうでしょう。とにかく,早いうちに習いはじめた場合の利点もありますが,それにはそれなりの条件が必要です。中学校に入ってから習いはじめても決して遅いとはいえません。

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