親と教師の教育相談室-154/201page

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152.健康的な被服の着方について
【問い】中学校1年生の娘が寒いと言いながら肌着を着ません。被服衛生面から見て,全く理に合わない着方をしているので因ります。どんな指導をしたらよいでしょうか。

【答え】被服には,自然環境に対して,体を保護する働きと,社会環境に適応するように身なりを整える働きがあります。
私たちの体には,体温や水分を一定に保つ生理作用がありますが,それには限度があるので,被服を用いてその作用を補助する必要があります。
被服を着ると体の周囲に外気の状態がつくられます。私たちが快適と感じるのは,皮膚面と被服の間の空気層が温度31度から33度,湿度が40%から60%ぐらいのときです。
娘さんが肌着を省略しているとのことなので,それと同じ状態で皮膚温を測ってみました。
室温20度,湿度64%の室内で,まず普通の冬の養方の状態では,皮膚面(胸)とシャツの問の温度は33.2度でした。次にシャツを脱いで1時間ほど仕事をしてみましたが,ちょっと寒い感じで,その時の温度は30.1度でした。
娘さんに,肌着を着た状態とかソックスをはいた場合の暖かさなど,被服の重ね方をかえて試してみたらと勧めるのもよいと思います。
肌着は,皮膚から分泌する汗・皮脂などを吸収して,皮膚の表面を清潔に保つ役割をもっています。肌着を省略すれば,これらの働きは失われます。また,肌着を着ない場合の中着や上着の汚れ具合にも気づかせるようにします。
肌着も上着も清潔に,満足できる状態に手入れをして,快適な着方をすることによって皮膚の色も美しく,気持ちのよい学校生活が過ごせると思います。

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