親と教師の教育相談室-166/201page

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163.たばこを吸う子への接し方
【問い】中学校3年生になる一人息子ですが,夫も吸わないたばこを隠れて吸っております。今まで,親の言うことはなんでも素直にきいてくれ,F高校へ進学させたいと思っていた時,本当にショックです。親として,どう指導したらよいのか教えて下さい。

【答え】たぶん息子さんはたばこの箱に「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と表示があり,健康によくないこと,また,未成年者の喫煙が法律で禁止されていること,のいずれも承知しているのではないでしょうか。それなのになぜ吸うのかを考えてみて下さい。中学生の喫煙動機は1)なんでも経験してみたいという単なる好奇心2)群集心理から友達にさそわれての喫煙3)親,教師への反抗,4)学校,家庭生活への不満などが主なものです。お宅の息子さんの動機が3)4)だとすればおそらく一人息子ということで1)いつまでも不当に子供扱いをしすぎている2)素直であることをほめ過ぎている3)親が過度の期待を押しつけている4)行動すべてに親の監視の目が行き届きすぎている,などのことがなかったかを,親自身が反省してみることが大切です。もし,そうだとしたら精神的な独立を求め,自我を確立しようとする息子さんにとっては,たえられない日々ではなかったでしょうか。厳しくしかる前に,まず親としては,黙認をし許しているのではないこと,自分からやめることを信じて待っていることを知らせましょう。そして,自分の判断と決断で行動がとれる場と機会を与えて下さい。また,特に喫煙について未熟な場合,いきおい「口腔喫煙」より肺まで煙を吸いこむ「肺喫煙」になりやすく,体への害も大きいことを,実際に白紙に煙を吹きつけたタールの黒さから,実感としてとらえさせてください。進学や生活への悩みをふくめて,じっくり話しあってみてはいかがでしょうか。

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