親と教師の教育相談室-165/201page

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第6章
非行に関する相談

162.不良つぼくなった子への接し方

【問い】不良じみた友だちが誘いにくるせいか,中1の長男が不良っぽくなって困りました。どうしたらよいでしょうか。

【答え】この年ごろになると交友関係も,家が近いとか帰り道が一緒とか,外的な条件に強く支配されていた小学時代とは異なり,趣味とか考え方が一致するなど人格的な共鳴が,主要な結びつきになっていきます。
さらにこの年代は,もう自分は子どもでない,いつまでも子ども扱いされるのは心外だ…という意識が強く,友だち同士でおとなのマネをしたがります。まじめな言動は子どもっぽさの表れだと考えて,わざと不良じみた態度をとって友人関係を確かめ合うわけです。そのためうちの子はよい子なのに,不良じみた友だちのため悪くなったと受け止める親が多いようです。
あの子は不良っぽいからうちの子と交際させたくない,というのは,わが子だけ大事という親のエゴイズムといってよいでしょう。よその子が不良っぽく見えるのなら,その子と付き合っている子もそうに違いないと考えるべきです。そしてその不良っぽさはどこからきているのかを確かめることです。単なる好奇心やおとなのマネだとしたら,それが悪の道へ入る第1歩となりかねないことを教えさとすことです。
悪いのはいつもよその子で,うちの子が悪影響を受けているという身勝手な考え方ではわが子は親から離れるだけです。
親と子の対話の機会をなるべく多くつくり,心の交流をはかってみることです。さらに不良っぽい友だちもわが子とみて指導する温かい心こそ,親のつとめではないでしょうか。

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