親と教師の教育相談室-176/201page

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173.変声期の子に対する親の接し方
【問い】小学校5年生の息子が,このごろ声がかすれたり,小さな声でしか歌おうとしません。以前は,元気な声で上手に歌っていたのですが,このままでは,歌うことが嫌いになるのではないかと心配しています。

【答え】音楽に大変理解のあるお母さんの温かい心遣いと心配する気持ちがよくわかります。さて,おたずねの件ですが,音声(声帯)の障害のように医学的な要因で声が出しにくくなることはありますが,ここでは,身体の発育向上とともに変声期をむかえているものと考えてご説明いたします。
変声期には以前に出た高い声は出にくくなり,しゃがれ声となり,強く出せば時として声がひっくり返る状態になってしまいます。このため,息子さんは以前と同じように歌っているつもりでも,音程が不安定になったり,声がかすれてしまうわけです。したがって「地声」のまま声全体を張り上げる歌い方はできにくくなりますが,無理に大声を出して声帯をいためることなどないように注意しながら歌い続けることは大いに結構なことです。
変声期は子供の声から大人の声へ変わっていくためだれもが経験することです。この時期には,いろいろなレコードを聴いたり,身近な楽器に触れることから広く音楽に親しむようにさせてください。さらに,将来,美しい響きで音楽性の豊かな歌を歌えるように,音楽を愛する心を育てながら,息子さんの成長を温かく見守っていただきたいと思います。

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