小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1983-060/099page

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観点・小問ごとの分析 対策の視点
五、文脈を整えて文章を書く
正答率56%で誤答のほとんどは、オを2とし、エ「このしかは〜」という説明部分を最後にもってきているものであった。 各段落の初めの部分に目をうばわれて「この〜」の働きを考えなかったためと思われる。
○このような物語の完成問題では「だれが」「いつ」「どこで」「どうした」ということを押さえながら、場面の変化をとらえることが大事であろう。 そこで「発端―展開―終結」や「起―承―転―結」など筋の展開を中心に段落相互の関係をつかんで、読む力をつけたり、文章を書く力を身につけさせたりしなければならないだろう。
観点[6](文・文章を書く)について
 ○観点正答率は65%で、文・文章を読む(64%)とほとんど変わらない。が、観点ごとの正答率では下位である。
 ○「文脈を整えて文章を書く」指導では、文章全体の構成を把握できるようにするとともに、文と文の続き方を考えて文章を読んだりすることができるようにしたい。

◎第3学年国語についてのまとめ

○「文字を読む」(76%)と「文字を書く」(68%)とを対比してみると「文字を書く」の方が正答率が低い。「文字を書く」小問では、「漢字を正しく書く」「正しい筆順で漢字が書ける」は、ともに正答率58%であった。書き誤りやすい文字や間違いやすい筆順の漢字については、工夫した指導が計画的に行わなければならない。
○「語句を読む」(71%)、「語句を書く」(73%)では、類義語の語句の意味に関する問題があまりよく出来ていない。類義語の指導は、連想ゲームなどの言葉遊びを用いることにより、児童の興味と関心を高めながら工夫して指導することが大切である。また、語句の意味については、表現や理解の学習との関連指導を行うとともに、他教科の学習においても、語いの拡充などの指導に努めなければならない。
○「文・文章を読む」では、段落相互の関係や中心語句、中心文に着目させながら要点をとらえられるようにすることが大事になってこよう。
○「文・文章を書く」では、「文脈を整えて文章が書ける」(56%)が低い。文章を書く目的や相手に応じて、必要な事柄だけを取り上げて書くという能力を養うことや、文章構成のしかたなどと関連的に考え、効果的な表現のしかたを考えさせることが大切である。
○観点を「読むこと」と「書くこと」の二つに大きく分けて対比してみると、その正答率は、「読むこと」(70%)、「書くこと」(69%)で差はない。

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