理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-025/139page
※ 発泡スチロールを半円に切り取るときは, 800W 位の太めのニクロム線をつくり,スライダックスで,数ボルトにあげて加熱して行う。また,半円形以外の部分は,ガラス棒をバーナで加熱して,発泡スチロールに近づけて行う。
2)次にメスシリンダーの目盛りの部分(150ml より上方)が見えるように目盛の部分だけ切り取る。
3)メスシリンダーに 150ml 位の水を入れた後, 200ml 近くまで氷を入れ,メスシリンダー内の水の温度が0℃になるようにする。
4)水の温度が0℃になったら,溶け残った氷を取りだし,水の量を減らして,およそ 150ml とする。次に水の体積を正確に読んだ後,容器を含めた全質量を測定する。
5)次に室温にしばらく放置して0℃になった氷のかたまりの表面の水を,ガーゼでふきとってすばやく,メスシリンダーに入れる。
6)氷が浮かないように太さ 3mm 位のポリスチレンの棒で氷を水中に押しながら全体積を正確に読み取った後,全質量を秤量する。
7)この実験を5回繰り返す。
(2)実験結果と考察
1)測定結果の記録と整理
実験回数 初めの質量 氷を入れた後の質量 氷の質量 初めの体積 氷を入れた後の質量 氷の体積 1 385.3 433.9 48.6 140 193 53ml 2 385.1 433.3 48.2 140 192 52 3 385.4 425.6 40.2 140 184 44 4 385.3 436.4 51.1 140 196 56 5 385.1 438.0 52.9 140 197 57 2)各実験ごとの氷の比重を算出し,文献値と比較する。
実験値の平均〔0.920〕 文献値※〔0.915〕
3)海水の比重と求めた氷の比重から,0℃の氷が海水に浮ぶとすれば,海水の表面に表われる氷は全体積の何分の1になるかを算出する。
※ 化学便覧,丸善版による。以下同じ。
〔実験3〕 水の密度が最大になるときの温度を求める。
図5
(1)実験方法
1)100ml の丸底フラスコに,マグネチックスターラー用の回転子と水を入れる。
2)フラスコの中に空気を入れないようにして,ガラス管と温度計をさし込んだゴム栓をはめる。
3) 1l のビーカーの底に砕いた氷を入れ,食塩と混合した後,丸底フラスコを入れ,さらに丸底フラスコの上部まで寒剤を満たす。
4)ガラス管に 1mm 目盛りの方眼紙をとりつけ,セロテープでとめる。