理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-045/139page
真をとる場合,三脚を使うのもよい。
双眼実体顕微鏡のない場合,生徒用顕微鏡(直筒〕に対物レンズ×4を使い。溶射照明(直射日光)によって撮影するとよい。
(ロ)顕微鏡(直筒)に自作アダプターをとりつける。円筒(接眼レンズ)との間のパッキングとして,ゴム管を1回巻きつけてから,アダプターをかぶせるとよい(図2)。
図1 アダプターの作り方
図2 カメラと顕微鏡とアダプター
(ハ)プレパラートを視野の中央に移動させ,ピントを合わせたら,カメラをアダプターの上に載せ,顕微鏡の光軸を合わせる。カメラの絞りは,開放,距離は無限大(∞)に合わせる。
(ニ)ファインダーをのぞき,粗動ねじを回わしてピントを合わせる。高倍率や中間リングを使用する場合,視野が暗くピントが合わせにくい時には,(ホ)のように明るくしてからピントを合わせる。
(ホ)光源は,自然光がのぞましい。顕微鏡写真をとるには,明るさ(輝度)の大きいことが必要である。輝度とワット数は一致しないので,注意が必要である。顕微鏡写真電球 6V30W も 100V500W の映写用電球も,輝度は,ほとんど同じである。
落射照明の場合(双眼実体顕微鏡や低倍率の4×7, 4×10)は,直射日光でよいが,普通顕微鏡の場合,光源装置を使わず直射日光をとり入れるのは,注意が必要である。
反射鏡は,平面を使うこと,カメラをアダプターにのせてから,直射日光をミラーよりとり入れることなどを厳守する必要がある。窓際で充分な明るさがとれる場合は,もちろん,直射日光をさけることである。
(ヘ)TTLカメラの場合は,ファインダーをのぞき,シャッタースピードを決める。
露出計内蔵でないカメラの場合, 1/2〜1/30秒の範囲でいろいろ撮影してみる。カメラのファインダーより光が入るのを防ぐため,片手でファインダーをふさぎ,シャッターを切る。レリーズを使用するとよい。
※ フィルムは, ASA400〜1000がよい。カラーは,ネガフィルムより,リバーサルの方が明暗の階調も美しく,色の再現もよい。
※ フィルターについては,専門書にゆずる。
※ 接写リングのある時は,カメラよりレンズをはずして撮影すると,視野が拡大され,露出計も使いやすい。専用の顕微鏡撮影用アダプター使用の場合と同じ効果である。