理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-073/139page

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3 方法

(1)校庭の草地・裸地・樹下(森林内)などの特定の場所を調査地点としてえらぶ。
(2)各調査地点に,深さ50cmの穴を掘る(50×50cm)。
(3)掘った穴の断面の様子(土壌の厚さ・質・色・土粒など)を記録し,地表の状態も記録しておく。
(4)各調査地点について,地表,地下10cm,地下20cm,地下40cmの4ヶ所の土を一定量とるために,空かんを掘った穴の断面にねじ込み,地表より順にスコップで掘り出し,缶の口よりはみ出している土をけずり100cm3とする。土は直ちにポリエチレンの袋に入れ輪ゴムで口をとめる。袋には,マジックインクで調査地点,標本番号,気温,地温,照度なども記録しておく。
(5)実験室にもち帰った土は,ツルグレン装置にかけ,24時間放置しておく。装置に土を入れてから装置をゆらすとビーカーの中に土が入り観察しにくくなるので注意する。
(6)ビーカーに落ち込んだ小動物を調べるため,ペトリ皿に入れて20倍程度の双眼実体顕微鏡で観察する。ペトリ皿の下に青色のアクリル板を敷くと見やすい。動物の名前は,検索表によって調べるが,まず足の数やはねの有無によっておよその見当をつけるとよい。(資料1)

4 結果と考察

 深さと動物数の調査では,土の表層5cm位のところが多く,一般に二つの動物相が接する時,境界面に多く集まる傾向がある。土と空気の境界面でも同様である。ダニやトビムシは個体数も多く,各調査地点ごとのデーターを比較してみるとよい。
 次に,調査地点(校庭の草地,裸地,樹下)のちがいと動物個体数や種類数の比較では,有機物の多い樹木の下(森林)が多く裸地は少ない。動物の種類数も調査地点ごとに特徴がある。

表1 いろいろな植生下の土壌動物とその割合(%)
牧草地 野草地 叢林地 林地
ヒメミミズ類   0.2 0.3 0.2
ヤスデ〃     0.3 0.1
ムカデ〃   0.2 0.3 0.1
カニムシ〃   0.1    
ササラダニ〃 40.8 35.5 55.4 34.1
無気門のダニ〃 5.5   0.1  
中気門のダニ〃 5.1 5.9 7.5 11.1
前気門のダニ〃 1.3 0.4 0.8 0.6
クモ〃 0.4 0.3   0.2
トビムシ〃 46.3 39.4 12.4 50.9
総翔〃     0.1 0.1
甲虫(幼体)〃 0.4 0.9 3.3 0.3
甲虫(成体)〃   0.2 0.3 0.5
ハエ〃   0.2 0.4 0.9
半翔〃   0.1 12.1 0.6
      0.2
アリ〃   16.7 7.6 0.3


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