理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-085/139page

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 1) 5mm方眼のTPシートを1.5cm 大に切りとり,接眼レンズ上部を回してはずし,中の絞りの位置に,切り取ったTPシートを入れ,上部レンズをもとのようにはめる。
 2)粉じん接着スライドガラスを顕微鏡下に置き,TP方眼の1マス内に入っている粉じんの数を調べる。倍率は70倍で観察する。(実際のスライドガラスの観察範囲は,一辺が0.75mm の正方形内)
 3)粉じんは黒っぽい固まり(黒いすす)や黄褐色の粒の集り(砂じん)が主で,自動車による排出すすと砂じんなどの降下じんが,主要道路沿いに,予想以上に大気を汚染していることが推察できる。
  冬期間はアスファルトの粉じんが多く観察されるようになる。

接眼レンズ
大気中の粉じんの観察

(2)大気中の窒素酸化物の観察

  トリエタノールアミン50%水溶液を浸した試験紙にザルツマン試薬を加えて,試験紙の変色を比較する。
 1)ザルツマン試薬を,試験紙の入っているフィルムケースに20cc ずつ加えてよくふる。常温で5〜10分程度で試験紙は赤色に変色する(気温が15℃以下の場合は15〜20分位の反応時間が必要)
 2)変色した試験紙の色を比較する。
   大気中のNOx が多い場合………濃い赤色
   大気中のNOx が少ない場合……うすい赤色
   (このザルツマン試薬法で比較観察される範囲は NOx 量で 10−2PPM まで可能である)
 3)変色したザルツマン試薬液を光電比色計を用いて数値で比較すると一層,結果がはっきりする。

4 結果と考察  (略)

5 留意点

(1)データを得るための所要時間

 1)大気中の粉じんの調べ方
  調査地点が決まれば,粉じん付着用スライドガラスを2〜6時間静置しておくだけで,回収後は実験室での作業となる。
  この調査は,比較的風の弱い日を選び,雨の日はさける。粉じん付着用スライドガラスは,道路の信号機の配電箱の上にセロテープで固定しておくとよい(低い所だと,子供にいたずらされる場合があるので)。また,静置しておく時間は交通量の多い交差点付近だと,1〜2時間で充分である。それ以上静置すると粉じんが重なって数をかぞえ難くなる。

 2)窒素酸化物の調べ方
  調査地点が決まれば,試験紙の入ったフィルムケースを4〜8時間,場所によっては(交通量の少ない場所)24時間静置しておく。以後の処理・観察は実験室で行えばよい。この調査も雨の日はさける。試験紙の入ったフィ

フイルムケースをガムテープに固定する。
窒素酸化物の調べ方


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