理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-084/139page
8 大気汚染の状態を調べる
1 ねらい
大気汚染の発生源は,地域によって異なり,工場や事業所から放散されるばい煙や,自動車の排気ガス,冬期間ではスパイクタイヤによるアスファルトの粉じんなど主たるものである。ここでは,自分たちの住む地域の大気中の粉じんと窒素酸化物による汚染状態の程度と分布を調べる。
2 準備
(1)大気中の粉じんを調べる準備
粉じん付着用スライドガラスの作り方とその取扱い方
1)スライドガラスに,1滴のグリセリンを滴下して,別のスライドガラスを上にかぶせて,左右にすり動かして,グリセリンをうすく塗り広げる。
2)スライドガラスと同形に切った画用紙を用意し,パンチで図1のように2個あける。これをグリセリンの広がったスライドガラスの上に載せ,セロハンテープで両端を固定し,更に,パンチ穴の上にも別のセロハンテープを貼り,穴をふさいでおく。
3)交差点の信号機の配電箱の上に固定する。じんあいを採集するときは,穴をふさいでいたセロハンテープをとり除き,定められた時間がたったら,再びセロハンテープをかぶせ回収する。(2個の穴のうち1個は2時間,もう1個の穴は4時間と開放時間を別にする。)
(2)大気中の窒素酸化物を調べる準備
試験紙の作り方とその取り扱い方
1)トリエタノールアミン50%水溶液を作り,その水溶液にフェノールフタレン溶液を数滴加えてうすく着色しておく。
2)ふた付のフィルムケースの中に,図2のように,1.5cm 幅のろ紙を輪状にして入れる。
3)ろ紙上に,スポイトで 1)の試験液を5〜6滴,均一に滴下する(うすく着色しているのでわかり易い)。その後,大気にふれないようにふたをする。
4)試験紙の入ったフィルムケースを設置する。
フィルムケースのふたをとり,信号機の配電箱の下や,建物にガムテープで固定する。定められた時間が経ったら,ふたをして回収する。
3 実習
(1)大気中の粉じんの観察
粉じんは顕微鏡下で方形枠法でその数を調べる。