理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-104/139page
(4)「振り子の長さを4倍にすると周期が2倍となる」のはどうしてだろうか。
OA=l OB=4l(5)前問を斜面で考えてみよう。
「AXの長さをころがり落ちる時間の2倍の時間にその4倍のAYの長さをころがり落ちる」ことを考えよ。
(6)前問で斜面の傾きθを大きくして90゜にすればどうなるか。
ガリレオの行なった研究のなかで,時間に関連のある二つの重要な過程がある。
その一つは振り子に関するものでその結果は次のようにまとめられる。
1)振り子の一振動に要する時間(周期)は振幅の角度によって変らない(ただし,あまり大きな振幅は除く)。
2)振り子の周期は,振り子の長さで定まり,おもりの目方には無関係である(目方の軽い振り子は早く止まり,振り子の長さが1mのとき1往復で約2秒となる。)
3)振り子の周期の二乗と振り子の長さが比例する。
以上のような関係を彼は多くの実験を繰り返して発見した。
もう一つの重要な研究は物体の落下についてで,これをまとめると次のようになる。
(1)抵抗の作用しない物体は一様不滅の運動をする。
(2)初め止まっていた物体が落下しはじめると,その落下距離は落下時間の二乗に比例する。
(3)一般的に,斜方投射された物体は(1)と(2)との運動の「合成」されたものになる。すなわち,放物線を描いて落下する。
(4)落下時間は物体の目方には無関係である。
これらすべてについて彼は,実験を繰り返して発見したものである。
落体の実験をするのに彼が板に溝を刻んで,その板を斜めにして真ちゅう球をころがしたのは有名な事実で,(4)の実験は有名なピサの斜塔の上から物を落として行ったということが伝えられている。