理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-127/139page
光合成における二つの反応系をさらにくわしく調べていくには,同位元素(アイソトープ)が利用されて,複雑なしくみがわかってきた。発生する O2 が, H2O と CO2 のいずれに由来するものなのか,また CO2 がどんな経路をたどって糖類をつくるのかといった一連の反応過程が次第に明らかにされていった。電子顕微鏡による研究の進歩は,光合成のしくみを葉緑体の構造とむすびつけて考えることも可能にした。
こうして,植物の栄養源を求めての研究から始まった探求のあゆみは,約300年の歴史をへて光合成反応のくわしいしくみを明らかにしてきたのである。