理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-003/116page

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単なものであるが、自分で作った器具を用いて太陽の動きをとらえようとする努力は、日時計を作ろうとする学習へ発展していった。このような過程で、もののつくりやはたらきに気付き、作る喜び、工夫することの楽しさを感じていくのである。

(4)好きなことには熱中する。
児童は、日常生活でも授業の中でも物事に熱中する。カタツムリを探す授業で、学校のまわりに探しに出かけたが、なかなか見つからない。その時、T男が、小さな生まれたばかりのカタツムリを見つけて走ってきた。虫が嫌いで、教師の後に回って歩いていたY子もそれを見て安心し、カタツムリ探しに参加できるようになった。T男をほめてやると得意になり、また、探しに出かけ、誰も入らない木立の中でどんどん見つけていくつT男はカタツムリを探すことによって、カタツムリのいろいろな習性に気づき、ますます探すことに熱中した。しかも探してきたカタツムリの家を教室に作り、積極的に飼育をはじめ、友達にカタツムリの居場所や習性を説明したりしてすっかりカタツムリ博士になった。このように、カタツムリひとつをとってみても児童は夢中になって活動していく中で、自ずから自然を調べる能力や態度が育成され、生きものを大切にする心情も培われていくことがわかる。

(5)諸能力の発達が著しい。
普通、低学年の児童は手先が不器用であるとか、全体的・直覚的にしかものごとをとらえられないといわれている。
知的なことについて未発達だから、知識面を多く扱わなければならないという考え方よりは、感覚や運動能力が発達していく途中だからこそ、感覚を生かす活動を多くとり入れるべきであるし、体を使った活動を多くさせるべきであると考える。

3 低学年理科で培う力

低学年理科では、どのような学力が求められるのだろうか。学習指導要領低学年理科の内容は「………を使った活動を工夫させながら、………の特徴に気付かせる」となっており、特に、重視されていることは「自然の事物・現象に直接はたらきかける活動」である。このことは、具体的には「見る、探す、作る、育てる、飼う、……」などの活動であるが、「自然に接する楽しさを味わわせる」という目標に迫らせるため、特に、児童の興味・関心を高めることが大切にされ、遊び的要素を取り入れることによって活動への意欲が増し、自然と直接触れ合うことの楽しさが獲得されるであろうと考えられてきた。したがって、低学年の理科では、内容の理解を系統的に積み上げることよりも児童の自発的な活動の高まりを意図するものであり、遊び的な活動が高まることにより、「活動を工夫させたり」「……の特敏に気付かせる」ことが重要である。以下、培いたい具体的な児童の姿を掲げる。

(1)自然の事物・現象の不思議さ、おもしろさに感動する。
自然の事物・現象との出合いは児童にいろいろな反応をおこさせる。新鮮なおどろきであったり、あるいは無関心であったりする場合もある。この自然の事物・現象との出合いが学習の大きな契機とたる。つまり、自然の事物・現象に対する興味やおどろき、不思議さが大きければ大き


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