理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-004/116page

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いほど活動の意欲が誘発され、豊かに深められていく。したがって、教師はこのように児童の心をゆさぶる新鮮な教材を常に探し求め、さらにどのようにして児童との出合いの場を設定するかが重要となる。

(2)興味や疑問をもって意欲的に事実をとらえようとする。
自然の事物・現象に興味や関心をもち、疑問に思ったことなどを見たり、いじったり、確かめたり、五感や体全体を通して直接自然をとらえようとする意欲的な児童にしたい。また、自然の事物・現象に多様なはたらきかけをして、疑問をひとつひとつ解明していくことができるような児童を育てたい。
ところで、※小林実氏は、「低学年の理科では、五つの宝と三つの玉がみがかれなければならない。五つの宝とは五感であり、三つの玉とは器用さと、辛抱強さと、ひらめきである。」といっている。これは児童が自然を相手に学習活動をしていく上で欠くことのできない条件であり、どれひとつ欠けても活動中のつまずきに対して克服していくことができない。示唆に富んだ言である。

(3)進んで自然にはたらきかけ、疑問を解明できることの喜びや楽しさを感得できる。
自ら進んで自然の事物・現象にはたらきかけ、自分の力で疑問を解明したり、発見したときにその喜びを感じる。また、自分でつくりだしたものには愛着を感じ、長くかかわりをもとうとする。その喜びや愛着が、次の自然の事物・現象に対するはたらきかけの源になっているのである。

(4)工夫したリ、深めたりして活動できる。
いろいろな経験や知恵をはたらかせながら、単純な活動から複雑な活動へ、意味のある活動へと工夫していく。そして、その過程で、ものの著しい特徴やはたらきを多面的、総合的にとらえることができるようにしたい。

(5)学んだことをいろいろな方法で豊かに表現できる。
見たり、ためしたり、感動したりの活動の中で、学んだことを確実にとらえられる児童はよく発表ができたり、絵や文に書いたり、体を使って豊かに表現したりすることができる。また、表現することによって、ものの特徴やはたらきを別な面からもとらえることができるようになる

(6)生き物をかわいがり、進んで世話をしようとする。
アニミズムを脱却しない児童たちは、動植物と一体となって触れ合おうとする。このような特性は学年が進むにつれてうすらいでいくので、低学年でこそ触れ合いの機会を多くすることが大切である。そのような生き物との触れ合いの活動を通して、生き物を愛護し、いつくしむ心が培われていく。さらに、生き物を愛情をもって世話をしたり、飼育したりすることにより、その特徴や習性などに気がついていく。
※小林実氏講演(元大日本図書教育研究室勤務)

4 授業改善のための評価

いうまでもなく、評価は授業の改善のためのものであり、そのために児童の変容や到達度を明らかにし、授業の反省に基づき次の授業の案を作成する資料として活用できるものでなければならない。


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