理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-069/116page
J 流れた跡を観察する ○こんなにへっこんだ、くねくねしている。
○くろいすじは何んだろう。
○さてつがとれるよ、ぼくやったことある。
○きらきらしてきんみたいだ。
●コンクリートの所、芝生の上など校庭中を自由にまわって観察させるようにした。
わかったことを発表する。 ○せんせい、雨の日と晴れた日は、反対みたいだね。雨の日は暗い、晴れは明るいです。
7考察
野外での活動が中心になったことで、児童の学習への興味・関心は強く、ダイナミックに展開できたと思われる。自然現象に直接触れさせることが、いかに大切であるか、またその中で、どんな素材を選ぶかということより、いかにチャンスをとらえて意図的に観察させるかがポイントになる単元であったと思う。
雨の中に出ていくだけで、児童は、暗い、寒い、冷たい、ぬれる、どろんこになるのを感じ、それから自然に水たまりに行き、手でさわり、流れをたどっていくなど、次々に、活動が広がっていったようである。しかし、ややもすると地面の様子や雨水だけに目をうばわれがちになり、晴れた日との天気の比較へと結びつかなくなることも考えられるので、遠くから全体の様子を観察させてみた。雨水集めについては、強く降っている日が集めやすいわけであるが、児童がぬれやすくなる点も考慮したい。
事後の調査では、児童の日常の経験からこの題材についてのレディネスがあったこと、学習の中でも直接事象に触れさせたことなどから雨の日と晴れの日の雲やまわりの様子の違い、雨水の違いなどはほとんどとらえていた。しかし、流れなかった雨水がどうなったか、雨水のゆくえについてははっきりと表現できなかった。晴れた日、じょうろなどを使って雨降り遊びを計画し、もう一度雨の日を再現させてみれば確かだものになったと思われる。
学習のまとめについては、この時期の児童に合わせて国語科と関連づけ、気付いたこと、ふしぎだったことをはっきりとわかるように話すことを試みた。事象を直接経験しているので、話したい内容が豊富にあり、ほとんどの児童が意欲的に発表しようとしていた。このことは文を書く、即ち観察記録へと発展していくのではないかと思われる。
この題材は、天気待ちであり学習に良い機会をのがさず実践することが大切であり、そのためいつでも実践できるよう学習計画を立てておくことが必要である。
児童に天気についての関心を高めていくためには、日常の指導も大切である。また、体育の時間に校庭に出て、みんなで空を見上げて呼びかけてみたり、白い雲に名前をつけて呼んでみたり、雨水集めを継続してやり、集計したりすることも効果をあげる一方法である。