理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-075/116page

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7考察
「アサガオをそだてよう」は、たねまきして花が咲き、実ができるまでの長期にわたって草花を育てるため、いかに興味を持続させて成長の変化を観察させていくかが問題となる。
そこで、芽生えを待ちこがれる気持ち、芽が出たときの喜びや感動を大切にして、子どものつぶやき、表現をとりあげることによって、意識をアサガオの成長に向けていくよう配慮した。
本単元の活動を次のように展開した。

本単元の活動
(1)つぼみさがしの活動から
アサガオの成長の変化でつぼみを意識していたのは50%だった。教師が鉢植えのアサガオを提示すると、はじめ児童は花にだけ目を向けて美しいといって喜んだ。
そこで、あした咲くつぼみという条件を提示すると、つぼみに視点を向けて、ねじれがとけて色が見えるつぼみとか、大きくふくらんだつぼみとかを指定してさがしたことは、つぼみの成長を時間的な変化としてとらえていたといえる。
(2)花の特徴に気付かせる活動から
花の色の多様性や形の共通性に気づく児童が多くなった。教師は児童の反応にうなづいたり、驚いたりするだけにとどめた。「美しい花を残しておきたいなあ」という教師と児童の一致した願いをいかして押し花をとりあげた。教科書やノートに花をはさんで、花びらの形うつしをしたところ、ノートに花の色がつくことに驚いたり、花の形をうまくうつすための工夫もみられた。教師は児童が作り出した工夫をどうとり上げていくか問題として残った。
(3)花壇めぐりの活動から
自分のアサガオは、よく世話をして愛情をもって育てていくが、校庭に咲く草花への関心は低い。活動の場を校庭に広げ、つぼみや花をさがしてアサガオと比べて見つめなおす観察までは時間が十分とれなかった。
草花を世話する楽しさを味わわせるには、手数がかかっても根気よく育てさせることが前提である。成長の変化をうまくとらえて、児童の気持ちの高まりを大切にしながら、ゆっくり植物と接するよう配慮することであると思う。


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