理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-097/116page
5 単元構成と評価
以上の児童の実態からもわかるように、児童は、ヒマワリの種子をまき、世話をしながらその育ち方を観察してきているものの、日光とのかかわりや成長という現象を分析的に見ようとする意識は不十分である。そこで本単元では、成長の著しい時期を考慮して指導を展開し、「下の葉が枯れそうになっている」「毎日水かけしているのに元気がない」などの児童の疑問に「病気なのだろうか、身体検査をしてあげよう」とはたらきかけ、草たけ、茎の太さ、葉の大きさ、葉の数や色などについて調べ方を工夫して成長してきている事実をとらえさせていく。また、ここでは、自分の背の高さと比べたり、手で大きさを比べたりして、成長していることを身体を使って感じとらせる。次に、晴れた日を選び、日なたと日かげのヒマワリを比べることによって成長の違いに疑問を持たせ、日光の当たり方が違っていることと関係づけてとらえさせるようにする。
こうした活動の中で、本単元では、算数科の測定や表とグラフとの関連をはかりながら、間接比較や普遍単位の必要性に気付かせるとともに、結果の整理のための活用をはかっていく。
評価においては、観察時における比較や観点の細かさ、測定や比較についての工夫、世話への意欲などについて、児童の行動、つぶやき、観察記録などを通してチェックする。
6 授業の実際
<本時のねらい> 1/3
(理):ヒマワリの草たけ、茎の太さ、葉の大きさ、葉の数などについて工夫して調べ、ヒマワリの成長に喜びをもたせる。
(算):長さを測るしくみについて理解を深める。
鉢植えのヒマワリを提示する。
A ヒマワリの提示を見る ○この前に見た先生のヒマワリだ・
○だいぶ大きくなったようだ。
○下の葉が枯れてきた。
○上の方の葉は小さくて、新しい葉だ。
●一一週間前に観察した時と比べたり、一本のヒマワリの上下での違いを見つけようとしている。
○葉が虫に食われている。
○ぼくのより茎が細い。
○しなびているから水が足りないのかな。
○葉がしぼんだ感じだし、葉の色もうすい。
○鉢が小さいからだ。
○虫に食われて病気になったのかもしれない。
●意見の対立があり、活気づく。それで本時の最後に花だんに植えかえる。
写真1 葉が枯れている。かわいそうだね。
花だんのヒマワリの身体検査をしたいが、どこをどのようにして検査したらよいだろうか。 ○葉の大きさはものさしでたてとよこを測るとよい。